改善・改革の着眼点・・スペースの見直し
付加価値を産むスペースとキャッシュフローを悪化させるスペース
自社の工場で、スペースがどのように使われているか、全体を俯瞰して見たことがあるだろうか。
スペースには、付加価値を産むスペースと、キャッシュフローを悪化させるスペースがある。
付加価値を産むスペースとは、キャッシュを生み出しているスペースのことだ。工場で言えば、加工しているスペースは付加価値を産んでいるスペースと言える。
それに対して、物が置かれているスペースはどうだろうか。お金が物になって置かれているということは、お金がそれだけ減り、さらにそのお金が寝ている状態ということだ。
そこには、金利などの資本コストもかかっているし、付加価値を産まない物流ロスも発生させている。まさにキャッシュフローを悪化させているスペースに他ならない。
付加価値を産んでいないスペースを減らす
自社工場全体のスペースがどのように使われているのか、色分けして見るとよい。
思っていた以上に、付加価値を産んでいるスペースが少ないことに驚くだろう。
付加価値を産んでいないスペースをいかに減らすかに取り組むことだ。
広い工場はムダが多い
広い工場は、ムダの多い工場になっていることが多い。
それは、スペースが広いことから、いくらでも物が置けるため、金が眠ることになるからだ。また、物を置くための工数がかかるだけでなく、それが物づくりのリズムを崩すことになる。
本来あるべきものづくりの姿は、材料が入ってきたら、それが停滞することなく加工されて製品になっていく姿だ。
物があちらこちらに置かれ、仕掛品が停滞していたのでは、ものづくりが流れない。仕掛品だらけでは、効率の良い生産ラインのレイアウトもできないことになる。
勝手に物を置けないようにする
取り組みで大切なことは、スペースを生み出すことができたら、先ずはそこに勝手に物を置けないようにロープを張ることだ。その上で最適なレイアウトに変更する。
スペースが空いていると、ついついそこに物を置いてしまうのが常だ。少しだけ置いておくつもりが、いつのまにか常態化し、さらにはいつ使うのかもわからない迷子品になることも多い。
取り組みの基本は2S
スペースの見直しにあたっての基本の取り組みは、徹底した整理と整頓だ。真に今の生産に必要なものだけにし、それをベストな配置にすると共に、3定(定位置・定品・定量)でムダな物が置けないようにすることだ。
今一度、自社工場のレイアウト図を見て、色分けすることから始めてみてはどうだろうか。
キャッシュフローを悪化させているスペースの多さに驚くはずだ。