改革・改善の着眼点・・ゴミは改善の宝庫

経営を担う幹部は、改善・改革の着眼点をどれだけ持っているかが重要。その一つがゴミだ。

ゴミ捨て場(産業廃棄物置き場)を確認しているか

毎朝、多くの経営者がゴミ捨て場(産業廃棄物置き場)を確認している。もし、確認していないようなら、明日からでも確認すべきだ。

そこには、前日の不良品が置かれていたり、端材や不要になった資産が廃棄されているからだ。

それらは、いずれもお金を出して買ったものであり、お金が形を換えたものなので、お金が捨ててあるということに他ならない。

お金が捨ててあると思っている責任者であれば、当然のことながら毎日確認するはずだ。

これらゴミ置き場(産業廃棄物置き場)にきた資産を徹底して減らす取り組みは、不良の削減やムダな資産の撲滅を図ることになり、これはキャッシュフローの良化に直結する。

改善取り組みの着眼点と共に、改善の指標にもなるということだ。

ちなみに、廃棄物削減にむけたリサイクルの取り組みはどの企業もしている。しかしリサイクルするので不良が出ても問題ないという意識があるとすれば問題だ。不良品は、お金をかけて加工までしたものだからだ。

職場のゴミ箱の中身をチェック…ゴミ箱を無くす

職場に多くのゴミ箱のある企業は利益が出せていないことが多い。

工場であれば、現場にどれだけゴミ箱があるか確認してみるとよい。中でも大きなゴミ箱が設置されている企業は問題を放置している企業と言える。

大切なことは、何が捨てられているかを調べ、それらを徹底して無くすことだ。

例えば、部材の包材が捨てられているとすれば、部材の梱包形態を見直すべきだ。包材もコストがかかっている。さらに部材を取り出すための皮むき作業はムダな作業だ。さらに、サプライヤーは包材と共に包む作業が発生しておりコストアップの原因になっている。

言い換えると、ゴミになるものを工場に入れないことが大切であり、工場であれば徹底してゴミ箱を無くす取り組みをすることが大切だ。

ある企業は、徹底してこの取り組みを推進。包材をすべて無くし「身のみ(部材のみ)」での納入を実現し、最終、品質表示ラベルの剥離シートだけがゴミとして残っていたが、これも、製品に直接印刷する方法に変更することで、すべてのゴミ箱を無くした。

この取り組みは、大幅なコスト削減と共に、クリーンな工場を実現する原動力になった。

事務所でも同じだ。ゴミで多いのは印刷物だ。ムダなコピーや印刷を放置していると多大のゴミが出る。印刷するだけで紙やトナー代をはじめとした費用が発生する。

DX化の取り組みはどの企業でも行っているが、ゴミを無くす取り組みは、仕事の進め方を変えることにつながるということだ。

ゴミを入れるな、作るな、出すな

改善・改革の着眼点として、ゴミに着目するのは有効だ。

推進のポイントは、

1.ゴミになるものを持ち込まないこと。不要な梱包材まで入れると、処分費用までかかる。そして

2.工場内でごみを作らないこと。不良や、端材などを出さない物づくりが重要だ。それらにより、

3.ごみを外へ出さないことだ。ゴミを出さないことは処分費の削減と共に環境対応にもなり、また、無駄のない工場や職場になり、強い経営体質を作ることになる。

「ゴミを入れるな、作るな、出すな」という取り組みは、経営体質強化につながるということだ。