改善・改革の着眼点・・お客様視点で見直してみる

メーカー論理になっていないか

お客様第一と言いながら、自社の都合になっていることは多い。

コンシューマー商品の例であれば、メーカーに商品の不具合を伝えると、色々な理由を言ってそれは不具合ではないと説明(説得?)しようとする姿を見ることがある。

お客様が「不良なのでは」と言っても、「それは規格内で問題ありません」と自分達が決めた基準があたかも正しいかのような主張をしていることさえある。これは、メーカーが勝手に決めた基準で「不具合ではない」と言っているだけで、それを購入したお客様が期待する基準を無視していることに他ならない。

そのような姿勢では、商品やサービスの改善は進まない。

お客様視点の企業であれば、お客様のところに出向いて、どのような使い方をしているのか、どういう時に不具合と感じるのかを3現主義(現場、現物、現実)に基づいて確認する。

そうすることで改善の手がかりをつかむことができるだけでなく、新たなニーズを発見することもできる。

アプリなどを提供するソフトメーカーの多くは、お客様からの指摘を素直に聞いてすぐに対応しようと取り組むのが当たり前だが、その他の業種ではこのような素直さが欠如していることが多い。

どんな使い方をされているのか知っているか

部品メーカーの場合、自社の部品がどのような製品にどのように使われているのか知らないケースがある。お客様が自社の部品にどんな役割・機能を期待しているのか、どうような使い方をしているのかがわかると、新たな改善や新たな提案もできることになる。

実際、お客様の使い方や使用条件がわかると、過剰品質を防ぎ、コストダウンできることもある。また、提供する部品のユニット化・一体化などで、お客様の工程を減らす提案ができることもある。

お客様視点で見直す第一歩は、自社の商品を使っていただいているお客様の現場を確認し、実際に使っていただいている方々から意見を聞くことだ。

そのような取り組みが、企業への信頼を向上させると共に、新たなビジネスチャンスを生み出すことにつながるのだ。

お客様第一と素直さがお客様の心をつかむ

自社の論理を押し付けるのではなく、素直にお客様の意見を聞くことが、企業経営の原点だ。

お客様の視点で見直してみると、改善すべきところ、また、過剰になっているところが見えてくる。

それがお客様の心をつかむことになる。

実際、お客様の心をつかんでいる企業は、自ずと顧客からの相談が増え、それらに正面から対応することで、さらに成長発展できることになる。

今一度、お客様視点で、自社の商品やサービスを見直してみてはどうだろう。