改善・改革の着眼点・・つなぎを見直せ

工場でも事務部門でも、つなぎに問題があることが多い。

工場なら工程間のつなぎの悪さ

工場なら、工程間のつなぎの悪さだ。つなぎが悪いと、仕掛品が溜まる。仕掛品が溜まれば、それだけ製造リードタイムが長くなるだけでなく、そこにムダな物流工数が発生する。

どう工程をつなぐかを突き詰めると、流れる工場にでき、大幅な製造リードタイムの短縮ができる。また、その取り組みの中で、つなぎを無くすための設計に変更できたり、新たな工法を生みだせることもある。

事務部門なら「つなぎのための調整会議」

同様に、事務部門も部門間のつなぎが悪いと「つなぎのための調整会議」ばかりに時間をとられる。

日頃から部門の壁がなく常に情報共有されていれば、つなぎのための会議など必要ない。

一カ所に集める

例えば、部署別に部屋や場所が分かれている場合と、一カ所に集まっている場合を比較してみるとよくわかる。

一カ所に集まっていれば、隣の部署の電話をとることもでき、自ずと助け合いが始まると共に連携がよくなる。また、隣の部署の情報も知らず知らずの間に知ることもできる。

部署別にコピー機などを配置する必要もなく、新聞や雑誌一つもすべて共有できる。また、部署別に文房具を持つ必要も無くなる。ムダな経費の削減になると共に、ムダな在庫を持つ必要も無くなり、保管のスペースやコピー機などの設置スペースのムダも無くせる。

実際、どこかの部署で問題が発生してドタバタしていれば、誰もが知ることができるし、誰かがどなっていれば緊急事態が発生しているとわかり、連絡・調整会議などをしなくても協力しあうことも可能になる。

少なくとも、情報共有のための時間は大幅に削減できるし、大幅な経費削減もできる。

スペースが空くことで、賃貸で事務所を借りている場合は、賃貸料の削減にもつながる。

先ずは大部屋方式からはじめてみる

部署間のコミュニケーションをよくしたいという目的でフリーアドレスを推進している企業もあるが、フリーアドレスならではの問題点があるのも現実だ。

そういう意味では、先ずは大部屋方式からスタートしてみるとよいだろう。

これらを推進する際は、徹底した2S(整理・整頓)の取り組みをすることだ。部署別に保有・管理している文房具類は一カ所に集めると共に、滅多に見ることのない書類は一掃することだ。そうすることで、棚を減らしスペースを空けるとさらに事務作業の効率も上げることができる。

「つなぎ」はどうなっているのか見直すと、大きな改革につながることが多いということだ。