不正会計に手を染める企業に共通する点
上場企業にもかかわらず、不適切会計で有名になった企業は多い。
昔、東芝が「チャレンジ」と称した不適切会計で有名になったが、近年でも、ニデック、エア・ウォーター、KDDIの子会社など、上場企業であるにもかかわらず不適切会計が発生している。
これらの企業には共通点がある。
損益計算書しか見ていない
それは、損益計算書しか見ていないということだ。
利益に拘り、何としても利益を確保すべくトップが指示している点だ。
このような企業は、経営計画数字も、売上高と利益だけを重視し、それを徹底して管理していることが多い。
経営の目的は?
およそ経営は、株主や金融機関などから調達した資金を、事業に必要な資産に換え、それを使ってお金を生み出すことだ。
いくらお金を生み出すことができたかが、経営推進の本質であり、管理すべき最重要事項は、どれだけお金が増やせたかだ。
そのためには、利益を出すことは重要。
100円で仕入れたものを200円で売れば、100円お金は増えるからだ。
お金が増えない利益の出し方は誤り
しかし、ここで注意すべき点がある。
それは、お金が減るような利益の出し方をしてはならないということだ。
誤った利益の出し方をするとお金は減る
わかりやすい例で言うと、売れないにもかかわらず、どんどん生産して在庫を増やすと利益は増える。それは、大量に生産することで、1個あたりの固定費が減るので、1個あたりの原価は下がり、下がった分だけ利益は増えるからだ。
しかし、明らかに、在庫が増えた分だけお金は減る。
にもかかわらず、このような利益の出し方を継続していくと、売れない在庫ばかりが膨れ上がり、どんどんお金は減り続けることになる。このようなお金が減るような利益の出し方はしてはならないということだ。
不正会計に手を染めた企業では循環取引が行われていたケースは多い。
循環取引で売上高と利益は増えるが、売掛金や棚卸資産などの資産は大きく膨らみ、キャッシュフローはマイナスになる。
これでは、利益が出ているので配当しようとしても、配当をするためのお金は無いことになる。
お金は「うそ」をつかない
利益は誤魔化せても、お金を誤魔化すことはできない。
正しい利益の出し方であれば、利益が増えた分だけお金が増えるはずだ。しかし、利益が出ているのにお金が増えないということであれば、利益の出し方が間違っているということだ。
前述したように、経営は、株主や金融機関などから調達したお金を元手に、いかに新たなお金を生み出すかだ。
それがわかっていれば、経営推進する上で管理すべき事項は、キャッシュフローということになる。
営業キャッシュフローから投資キャッシュフローを差し引いたものをフリーキャッシュフローという。これは自由に使えるお金ということであり、配当の支払いや借入金の返済、さらには、次なる戦略投資の原資となる。
いかにフリーキャッシュフローを最大化するかが、経営推進する上で重要なのだ。
そのためには、適切に利益を出すことが重要であり、運転資金を圧縮するなど、お金を生み出さない資産にお金を使わないように推進することだ。
キャッシュフロー経営の推進を
徹底してキャッシュフロー経営を推進している企業には、不正会計はおきない。お金が増えないような利益の出し方はしないからだ。
経営者がキャッシュフロー経営の基本を理解すると共に、全従業員がお金を意識し、いかにお金を増やすかに知恵を集める推進が大切なのだ。

