改善・改革の着眼点・・訪問することの重要性
コロナ禍以降、Web会議の定着で、お客様を訪問したりお客様が来訪する機会は大幅に減った。出張費も移動のための時間も削減でき、訪問しなくても顔を見ながら会議ができるので実に効率的だ。
しかし、それによって事業を拡大できる機会を逃していることは多い。
お客様に訪問してもらえば、情報を発信できる機会を圧倒的に増やすことができる。また、訪問すれば、得られる情報量が圧倒的に増える。
例えば、商品や技術であれば、手に取ってみることができ、確認することができる。
意識している企業は、展示室を設置したり、応接室や会議室に商品や部品などを展示して、見たり、触ることができるようにして、商品や技術への理解を深めてもらう工夫をしている。
商品や技術を知ってもらうことで、新たなビジネスに結び付く可能性は増える。
また製造業であれば、工場を見ることで、良い品ができるか否かもわかるし、どんな工程があるのかを知ることで、「こんな加工ができるのなら」と、新たなビジネス機会につながるケースもある。
訪問したり、訪問してもらうことは、より多くの情報を得る機会を増やすことができ、そこから新たな事業拡大につなげられる可能性が増えるということだ。
意識して訪問する・訪問してもらえるようにする
大切なことは、安易にWeb会議で済ますのではなく、はじめての企業や、取引をしたい・取引を拡大したいと思う企業には、できる限り訪問したり、訪問してもらえるように心がけることだ。
事前準備が重要
訪問したり来訪してもらう時は、事前に訪問先や来訪先の企業を調べることが大切だ。
それによって、適切な情報提供や適切な情報入手ができる。
どんな領域を得意としているのか、どんな商品や技術を持っているのか、どんな加工工程を持っているのか、どんな国に展開しているのか、どんな企業と取引しているのか…など、その企業の得意とする分野や市場、技術などを事前に知っておくことで、適切な質問や提案ができ、事業に結び付けることができる。
これらは、ホームページで確認できる項目も多く、中期経営計画を発表している企業では、どの事業をどう伸ばそうとしているかも知ることができる。さらに特許情報を調べるとどんな技術分野に注力しているかがわかる。
これらを調べた上で、その企業に対してどんなお役立ちができるか、自社にとってどんな有益な点がありそうか仮設を立てると、より適切な情報発信ができ、適切な情報入手ができる。
これらの情報を踏まえ、訪問する際は、事前に「工場を見せて欲しい」とか、「商品や部品を見せてもらいたい」というお願いをしておくことが大切だし、同様に来訪してもらえる場合は、自社を知ってもらうための時間をとってもらうようにお願いすることだ。
時間をかけてまで訪問して良かったということにするためには、事前の準備が大切なのだ。
訪問したい企業にすること
ところで、多くの人が訪問する企業には共通した特徴がある。それは、時間と費用をかけてでも訪問したいと思える物があるということだ。
例えば、その企業を訪問すると自社に有益な情報がもらえるとか、新たな取引ができる可能性があるなどだ。
このような企業にするためには、常に情報を発信し続けることが重要だ。
どんな技術があるのか、どんな加工をしているのか、どんな取り組みをしているのか、どんな国でどんな商品を開発しているのか…といった情報と共に、顧客や取引先にとって役に立つと思われる情報を積極的に発信することが大切だ。
あの企業なら自社にとって有益な情報が得られると思ってもらえることが大切なのだ。
併せて、こんな情報が欲しいと発信することも重要だ。そうすることで、求める技術や情報が得られることにつながる。
知恵・情報が集まることでさらなる発展が可能に
多くの人が訪問してくれる企業には、知恵や情報が集まり、それを有効に活用することで進化し、さらに色々な情報が集まるというサイクルになる。
例えば、自社工場の改善取り組みを紹介すれば、訪問した企業に参考になるだけでなく、こんな取り組みをするとさらに効果が上がるかもしれませんよといったアドバイスをもらえることも多い。さらにお互いの改善取り組みを紹介しあう交流に進むこともある。他社に見せることは、自社の技術や取り組みをさらにブラッシュアップできる機会にもなるのだ。
そのような企業にするには、自ら情報を発信することが大切であり、意識していかに訪問してもらえるようにするか取り組むかが大切なのだ。
積極的な広報活動も重要
情報発信するためには、積極的な広報活動が大切だ。新技術や新製品の発表だけではなく、それがどう活用できるかの事例なども発信することは有効だ。
また、自社で行っている取り組みなども、積極的に発信していくことだ。
その改善活動の内容を見せて欲しいと言ってもらえると、訪問してもらえる機会を増やすことができる。
広報活動の視点は、自社の一方的な思いだけを発信するのではなく、顧客や取引先にとってどんな情報が有効かを考えて発信することが大切なのだ。
ニュースリリースだけではなく、SNSの積極的な活用も大切だ。
相互に情報交換できる場を作る
併せて、意識すべき点は、相互に情報交換ができる場を作ること。
展示会一つも、単に売り込みのための展示会ではなく、新たなサービスや商品を一緒に創造する場にするというように一方的な情報発信だけでなく相互に情報交換できる場にするように努めることだ。そうすることで新たな協業がうまれたり、新たな商品・サービスの創造につながることもある。
ファンになってもらう・・企業風土の醸成
多くの企業に訪問してもらうためには、お客様を歓迎する企業風土の醸成も大切だ。
企業を訪問すると、その企業の姿勢がよくわかる。
ウェルカムボードを出しているような企業は、来てくれたお客様に自社のファンになってもらうと共に、どんな商品・技術を持っているかを知ってもらう機会と捉えて積極的に情報発信していることが多い。
廊下で従業員とすれ違った際、「いらっしゃいませ」と声を掛けてくれる企業と、「誰が来たのだ?」という顔ですれ違う企業とでは、来訪者にとってその企業に対する印象は大きく違う。
地方の企業だが、帰る際に事務所のメンバーが全員起立して「有難うございました」と言ってくれた企業もある。
全従業員がお客様を意識している企業は、それだけでその企業のファンになってくれると共に、協力してあげたいという思いを持ってもらえることになり、色々な情報提供もしてもらえるし、無理難題にも対応してもらえることにつながる。
訪問してもらえる企業にするには、ベースとなる風土の醸成も重要ということだ。
訪問することの重要性を認識して、訪問してもらえる企業に変革する取り組みは、企業風土の改革を含めた成長できる企業への変革取り組みとも言えるのだ。

