改善・改革の着眼点・・固定資産をチェックする
日常の経営の中で、意外に意識されていないのが固定資産だ。固定資産とは、長期間にわたって事業に利用する資産のことで、土地や建物、設備などがその代表だ。
これら固定資産は、10万円以上の高額な資産なので購入する時は、細かく検討をするが、一度購入してしまうと長期に保有するので意識されなくなっていることが多い。
固定資産はキャッシュを生んでいるか
ここで確認すべきことは、保有している固定資産はキャッシュを生んでいるかということだ。もともと、固定資産に投資をしたのは、投資額以上のキャッシュを生みだせると判断したからだ。ところが、長期間保有していると、いつの間にかそのことを忘れてしまっていることがある。
固定資産は保有しているだけでお金が出ていく
ちなみに、日本であれば、固定資産には固定資産税がかかる。
固定資産税は地方税なので自治体別に税率が若干異なることがあるが、全国的には概ね1.4%だ。今の金利からすると、1.4%は大きい。
すなわち、固定資産を保有しているだけで、固定資産税の支払いが発生し、お金が出ていくということだ。言い換えると、保有している固定資産が、しっかりとキャッシュを生みだしていないと、お金だけが出ていくことになってしまい、お金が減ることになる。
固定資産は活用されているか
そうしないためには、それぞれの固定資産が徹底して活用されているかをチェックすることが大切だ。
動いていない設備があるのであれば、どう動かすのか、使わないのであれば、売却すべきた。
また、24時間365日という視点で稼働状況をチェックしてみるのも方法だ。どうすれば、より稼働を増やしてキャッシュを生みだすことができるのかを検討することで、新たな販売拡大と共に、IoTの活用や自働化、さらには他社に真似のできない工法の開発につながることもある。
また、使っていない土地は、固定資産税を支払っているだけなので、そのような土地は売却して新たな成長に向けた投資に活用すべきだ。また借金があるのであれば、返済に回した方が支払金利が減りキャッシュの増になる。
昔は土地の値上がりを期待して保有していることもあったが、不動産投資が本業でないのであれば、確実に資本コストを上回る値上がりが期待できるとは限らないので、そのような土地にお金を投資するのでなく、本来の事業活動に投資をしてさらなる成長を図るべきだ。
今一度、固定資産台帳を見て、それぞれの固定資産が、真にキャッシュを生み出せているかを確認してみてはどうだろうか。